「長い長い暗いトンネルなんだけど、でもなんとかずっと走り続けているから、時々大丈夫って気がしたりする。」
この人はどれだけ戦い続けてきたんだろう。
どれだけ勝って、どれだけ負け続けてきたんだろう。
卓球の石川佳純さんのドキュメンタリーを見て、感動しました。
「全日本になれたら、もっとお花だらけの世界だと思ってましたよ。全然違ったけど。」と悪戯っぽく笑う彼女のことをかっこいいなと思いました。
卓球界の今は、20代後半元エースの彼女を追いかけるのは10代のエースたち。
プレイスタイルも、体力も違う。
どれだけ苦悩してきたんだろう。
世代交代だの、
メンタルの弱さが致命的だの、
挙げ句の果てには華がないだの
外野はとやかく言いすぎる。
それに対して彼女は
「気にしいなんですよ、気になってしょうがない。でも全く気にならない時もあるんですけどね〜」といってのける。
負けた試合後には、不意にあふれてくる涙を堪えられず、カメラに背を向ける。
真っ赤な鼻で、涙を拭いながら、「なんで勝てないんだろう」と呟く日もあれば、
負けても自分のスタイルを貫けたときは
「点数点数ってうるさいですよ〜」と茶目っけたっぷりに悔しそうなそぶりを見せる。
とても人間らしくて素敵なアスリートなんだなと思いました。
勝つか負けるかも大事だけれども、自分がなにをしたか分からずに勝てるより、自分がやるべきことをやり切って負けたほうがいい。
真の負けず嫌いな彼女に共感しました。
そして、苦労して手に入れたオリンピックへのチケット。
東京オリンピックは延期となりました。
「ここまでに気力も体力も使い切っていたので、ちょっといろんなところを伸ばして、充電するのにちょうどいいなと思います。」
とすっきりした顔で話す彼女。
年齢的にはギリギリのところにいるだろうけれど、崖っぷちを経験している彼女にとっては、コロナもちょうどいい休息。
ぜひ納得のいくプレイを見せて欲しいものです。