忘れられない過去がありますか?
思い出さないようにしている過去。
思い出すと苦しくなる過去。
よく、他人と過去は変えられない。
といいますね。
過去は変えられないけれど、過去の捉え方は変えられると、学びました。
親にひどく扱われた過去、学校でいじめられた過去、好きだった人に裏切られた過去、何ひとつうまくいかなかった過去。
それでも、その過去があったから、今の自分がいる。
ひどい時期を乗り切った自分がいる。
最悪を知っているからこそ、優しくなれる。他人の痛みに共感できる。乗り越え方を教えられる。
子どもの頃、父は怖い人だった。たまに家に帰って来れば、威張るばかりでしかめっ面。ちょっとしたことで不機嫌になる。母のこともよく泣かせていた。
そんな父が嫌だった。
大人になり、父とは表面的な付き合いしかせず、過去を思い出すこともしなかった。
そんな父が寝たきりになった。不自由な父に同情はするものの、過去の記憶が邪魔をして愛情を持てない自分に苦悩した。
父のいいところを考えると、倍の数の嫌なところを思いつく。
これでは、自分が後悔すると思い、父との思い出と向き合うことにした。
嫌なこともいいことも思い出して行くと、しかめっ面しか思い出せなかった父の笑う姿を思い出した。大きな手の温もりも、祖父の葬儀で流した涙も鮮明に思い出せた。
親だって完璧じゃない。
自分が親になってから痛感している。未熟な自分と戦いながら子育てしている。
父だって完璧じゃなくて当たり前。それでも家族を愛し、一所懸命育ててくれたんだ。
父との過去の捉え方は180度変わった。
しかめっ面でテレビの前に踏ん反り返っていた父。仕事と遊びで忙しく、たまにしか家にいなかったから、そんな風にしか振る舞えなかったんだろうなと思えた。居心地が悪い中、どうにかしようと頑張って帰ってきたんだろうなと、その時の父のことも、その気持ちを理解できずに怯えていた自分も許せた。
それから、父への想いは大きく変わった。
そして、今年の3月、心からの感謝と尊敬を持って父を天に見送ることができた。
他人と過去は変えられないけれど、過去の捉え方は変えられる。
さぁ、今日も楽しもう!!