母方の祖母が聞かせてくれる話の中で、特にお気に入りの話がありました。
うさぎの鶴代さんの話。
祖母は4人姉妹の末っ子でした。
お姉さんの名前は、松代さん、竹代さん、梅代さん。
そう、「松竹梅」。
そして祖母は亀代さん。
「鶴は千年、亀は万年」だから、私は亀代なの。
でもね、鶴代さんがいなくて寂しかったから、うさぎの人形を鶴代さんにしたのよ。
という話。
母方の祖母は、8人の子どもを産み、私の母は末娘だったので、私が小学生の頃はもう80歳を超えていました。
年季の入った、細くでゴツゴツした働き者の手でお茶を入れてくれながら、しわくちゃの笑顔で話してくれる、鶴代さんの話。
おばあちゃんにも娘時代があったんだなぁと、想像するとなんだかとても興味深くて、
「おばあちゃんはどんな子どもだったの?」
「うさぎの鶴代ちゃんは、どんな大きさだったの?」
ひとつひとつ、丁寧に答えてくれるおばあちゃん。
「鶴代ちゃんはどこにいったの?」
お姉さんたちも、鶴代さんも私より先に逝ってしまったのよ。
だって亀は万年だからね、1番長生きしないとね。
それから数年でおばあちゃんは、お姉さんや鶴代さんのところに逝ってしまいました。
優しくも、芯の強い素敵なおばあちゃんでした。
今ごろ鶴代さんと遊んでいるのでしょうか。
さぁ、今日も楽しもう!!