他人の目は気になる方ですか?
他人の目を気にしないでいられたら、もっと自由に伸び伸びと過ごせそう。
でも他人の目は時にはストッパーになり、人を獣にしないでくれる。
まだ長女が生まれたばかりの頃
今でいうところのワンオペ育児でした。
実家は遠く、子育て中の友人もいなくて、家事や育児を手伝ってくれる人はいませんでした。
それでも、長女はどちらかといえば育てやすい赤ちゃんでした。
唯一、私を泣かせたのは夜泣き。
しかも激しいわけではなく、グズグスと静かに長ーい。
子育て経験者からいえば、かわいい類だったのだと思います。
でも、はじめての子育て、産前から続く初めてづくしの緊張の日々。
そのうえ、ひどい寝不足…
2.3時間おきにおっぱいを欲しがる娘と、窓のない静かな部屋で過ごしていると、本当に日にちや時間の感覚がうすれていきます。
せっかく眠った娘が起きないように、携帯電話の音も消し、
インターホンも鳴らないようにしたのは自分なのに、
ひとり、世界から取り残されたような感覚に陥っていきました。
そんなお母さんたくさんいるだろうなぁ。
そして今、出掛けたくても出かけにくい中、初めての子育てじゃなくても、子供がもう赤ちゃんじゃなくても、
ひとりぼっちな気持ちのお母さんがたくさんいるのではないかと心配です。
世界から取り残されているような気分になっていた、ある夜、もう何時間も娘が泣き続けて、抱っこしながらも、うとうとしてしまう。
そして手元がゆるんで、娘が落ちそうになり、また泣き声が大きくなる。
「泣きたいのは、私のほう!!」
と口に出してみても、もちろん事態は変わらない。
一生夜は明けないかと思いました。
お願いだから、眠ってほしいと、娘の小さな口をふさぎそうになって、我に返りました。
「まずいな」
寝不足で、ふらふらで、髪はボサボサで、寒い夜で、パジャマに上着を着て、娘はフリースのブランケットに包んで、とにかく外に出ました。
もう時間の感覚もなくなっていて、でも外に出ると意外と人がいて。
深夜1時くらいだったのだ思います。
マンションの守衛さんに
「きれいな月ですよ」と言われて見上げると。何年も見上げたことのない月が、驚くほど明るく私たちを照らしていました。
急に我に返り、なんで格好で外に出てるんだろうと恥ずかしくなりました。
そして、帰宅。
ほんの10分ほど外に出たら、私の心は人間らしくなり、娘は浅い眠りにつきました。
私も隣で眠れました。
1.2時間だったと思います。でも、ぐっすり眠れました。
守衛さんがいてくれて良かった。
「他人の目」があることで、「自分」が見えたのだと思います。
他人の目を気にする必要はないけれど、他人の目があることで、自分を確認できる時もある。
コロナ禍の中、いつにも増して家庭の中はブラックボックス。
みんなが無事に乗り切れますように。
さぁ、今日もがんばろう。